過去の成績だか業績をいちいちリセットしては、新しい時代の新人のようにやってきてるんですよねー。

・「大人になる前に悪いこがやっていることは、
 実は、大人がふつうにやっていることを、
 子どものうちにやっているだけ、という場合が多い。
 ただ、ませていただけなんですよ」と。
 その説を聞いたときには、
 なるほどなぁ、と思いました。

 まったくその逆のことを思ったんです。
 「若いのにすごいなぁ、と言われるような人って、
 もっと年をとってからなら、ふつうの人ができることを、
 若くしてできてるだけ」という場合が多いんじゃないか?
 そう思ったんです。

 「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人」
 ということばを、みんな知ってるから、
 「できる子ども」に関しては、親以外はだいたい、
 「まぁ、ただの人になるよ」と流してくれる。

 でも、二十歳過ぎてから
 「こいつ、すげぇ」なんて言われてると、
 ほんとに「すげぇやつ」扱いされちゃうんだけどね。
 その後、三十、四十と長く生きていくうちには、
 「昔、ちょっとよかったんだよね」なんて
 失速しちゃう場合だって多いんですよ。

 大学生のときにまぶしかった先輩だとか、
 新人のころに「かなわないなぁ」と思えた同僚、
 そういう人の行く先にも、さらなる分岐があるんです。
 ませてただけだったり、一時期の貯金で派手だっただけ、
 なんて人たちを、老人たちは無数に見てきてます。
 
 ぼくがいまお会いしてる年長者たち、
 長いこと「すげぇ」をやってきている人たちは、
 過去の成績だか業績をいちいちリセットしては、
 新しい時代の新人のようにやってきてるんですよねー。
 親からもらった才能が人より余計にある、とか、
 他人より早熟だった、なんていう程度では、
 そんなに何十年もやってはいけませんって。
 いま、あんまり輝いてない人も、
 ひょっとしたら「晩熟」なだけかもしれませんぜ。

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