リズムをキープする。

・あなたの心臓は、どくんどくんと動いている。
 血液を取り込み、力強く血液を送り出している。
 心臓の重さはせいぜい300グラムしかないのだそうだ。
 一日に10万回以上も、どくんどくんとやっている。
 休みなんかなくて、生まれる前から死ぬまで動いている。
 すごい、心臓はだれかと契約しているわけではない。
 なにかの規則を守っているというわけでもない。
 しかし、心臓はリズムをキープしている。

 リズムをキープする、ということが、
 とんでもなく大事なんだということを、
 音楽をやっている人ならよくわかっている。
 契約を守るのでも規則を守るのでもない、
 リズムをキープするということは、それが、
 おそらくだれにとっても心地よいということである。
  
 地球は、太陽の周囲を一年かけて、回っている。
 ときどき休んだりもしてないし、急いだりもしていない。
 同じく、地球は、一日かけて自転をしている。
 そういうリズムで動いているというだけのことだ。
 地球の上で生きているぼくら人間も、
 地球がキープしているリズムに合うようにできている。

・友人の息子さんが、遅刻をくりかえしたりしていて、
 「どんなふうに言ってやればいいかな」と相談された。
 じぶんが、その息子さんのような人間だったから、
 わかるところがあるのだが、実は、彼自身も苦しいのだ。
 よくないんだよなぁ、いいことなんにもないよなぁと、
 じぶんなりにわかっているのだけれど、
 窓を開けて新鮮で冷たい空気を入れるのは怖い‥‥。
 通じるかどうかはわからないんだけど、と前置きして、
 「リズムがキープできてるほうが気持ちいい」
 という話をしてみるのはどうだろうかと、ぼくは言った。
 息子さんが楽器を好きらしいということも知っていた。
 小節ごとの区切りがでたらめだと気持ちわるいだろ?
 道徳や倫理を持ち出すよりも、そのリズムについて、
 いっしょに考えたりするのは、どうだろうね、と。
 その話がどうなったのか、詳しくは知らないのだけれど、
 彼の息子さんは、いまは立派に社会人をやっている。
 リズムの話は、実は、ぼく自身に言っていたことだった。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
見習うべきは心臓なり。どんどこどんどん、ハートは叩く。

via ほぼ日

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